- 乗馬を始めたばかりでお手入れが苦手な方。
- 裏掘りの時になかなか馬が足を上げてくれなくて困っている方。
- ブラッシングの時に馬が怒る理由が知りたい方。
- お手入れのコツを知りたい方
私が最初に入ったクラブはお手入れが嫌いな馬が結構いて、最初は苦手でした。
特に一度蹴りをくらってから、なんとなく後ろ脚付近に近づくのが怖くなってしまって。。。
そこで、いままで教わったこととネットで調べまくった情報をまとめました。
なぜお手入れを嫌がるのか?
「人を試している」時などもあるかも知れませんが、大抵の場合は「お手入れが嫌い」だからでしょう。
おそらく、お手入れに対して嫌な思いをした記憶があるのだと思います。
「馬に接する人は皆、調教師であることを自覚するべき。」
ということが書かれた本を読んだことがあります。
馬が嫌がっている事を「必要だから」と無理やりやり続けたらそれは嫌いになりますよね?
そして、一度「お手入れ=嫌なことをされる」となってしまうと、それを直すには時間がかかるものです。
とはいえ、クラブによってはレッスン前のお手入れと、レッスン後のお手入れをしなければならない事もあると思います。
少しでも、馬たちに「お手入れが好き❤」になってもらえるように、やり方を見直してみましょう。
いきなり始めない(まずは挨拶から)
いきなり近づいていって、お手入れを始めるは「NG」です。
人と同じです、まずは挨拶から。
挨拶の方法は「手の甲」をゆっくり鼻先に持っていって匂いを嗅いでもらいます。
素早く手を出すと驚かせてしまいますので、ゆっくり同じ速度で動きましょう。
手を鼻先に持っていった時に、馬が首を上げたり、耳を伏せて威嚇するようなら、一度手を引っ込めて、落ち着くのを待ってあげてください。
声をかけるなどして、自分を認識してもらい。
少し間を開けて繰り返します。
馬が自分を受け入れてくれるまで辛抱強く続けましょう。
落ち着いて匂いを嗅いでくれたら、ゆっくりとその手で額から鼻にかけてを撫でて上げましょう。
この時も馬の反応を見ながら、首を上げたり固くするようなら、手を引っ込めて受け入れてくれるのを待ってから、もう一度やってみます。
この時注意すべきことは、いきなり動きを早くしたりせず、同じ速度で動くことです。
そして、「決して無理やりしない」でください。
と馬に思ってもらえるようにしましょう。
チェーンをくぐる時も一緒です
お手入れをする時は、馬が繋がれているチェーンやロープを潜る必要があります。
この時も、挨拶の時にやった事を注意してください。
ゆっくり近づいて、チェーンを持って
と聞いてください。
馬が落ち着いていれば、
のサインです。
自分本位で動かず、何をするにもちゃんと馬の反応を見てあげましょう。
お手入れのコツ
ここからは、それぞれのお手入れのコツを解説します。
裏掘り
まず鉄爪(てっぴ)を馬に見せて
と伝えましょう。
私は、左に立って両足を左側からやると教わりましたが、右側に回ってやると言うところもありましたので、決まりはないのかな?と思います。
まずは左足からと教わりましたが、どちらでもいいと思っています。
足を触って上げてくれたほう(馬が立っている姿勢から上げやすい方)からやってあげると良いです。
片方を下ろすと、おろした時にその足に重心が移ってもう反対の足を上げやすくなります。
前脚
首~胸~足の上部から手で撫でていき、馬の腹側から球節に触れます。
馬たちは慣れているので、この時点で足を上げてくれる子もいます。
「挙げない時は肩で少し左肩を押してやる。」と習いましたが、これをやるとバランスを崩さないように返って踏ん張ってしまう子もいました。
球節の少し下の当たりを軽くつまむように持つと足を上げてくれることが多いです。
足が上がったら蹄の先の方を持って足の管(かん:人で言うと脛ですかね?)の部分を肘に引っ掛けるように持つと安定します。
戻す時は静かに、足を踏まれないよう注意してください。
後足
やはり足の上の方から撫でていき、馬の腹側から足に触れます。
→足の後ろから持つと馬が足を後ろに蹴った時に手を持っていかれるからダメです。
蹄を持てたら、なるべく低い位置で裏掘りします。
後ろ足の場合は、馬の脚が真っ直ぐに降りたところから少しだけ後ろで持ったほうが馬がバランスを取りやすいみたいです。
戻す時はやっぱりそっと下ろしてあげましょう。
馬の後ろ足は少し横にいても回し蹴り気味に飛んでくるので注意してください。
どうしても上げられない時は無理をせずにスタッフにお願いしましょう。
プラスチックブラシ
硬いブラシなので嫌がる子も割りと多いです。
「馬は皮膚が厚いから」なんて事を言う人もいますが、
ハエが止まっても分かるぐらいの敏感な感覚を持っています。
常にブラシを持っていない方の手で馬の首に触れておきましょう。
嫌がってガブッと来るのを早く察知できたり、ブロックすることがます。
ブラシをかける部分をまず手で触って「次、ココやるよ~」と教えてあげます。
首の上の方は嫌がる子が少ないので、この当たりをやりながら、
「この子はブラッシングがすきかな?」と様子を見てあげます。
軽い力から始めて馬の様子を見ます。
口をモゴモゴしたり、あくびをするようなら、気持ちよくてリラックスしているサインなのでOKです。
一番いい力加減を探してあげましょう。
頭を上げたり、首を固くするようなら不快に思っているので、更に軽くします。
触れただけでも嫌がるようなら無理をせず、指の腹などを使ってさすって上げる程度にします。
また、首は大丈夫でも他の場所(嫌いなところ)がある場合もあります。
腹下やひばらの部分は皮膚が薄いのでデリケートな子は無理にやらなくていいです。
そういう部分はやはり指の腹で軽くさすって、ホコリを落として上げましょう。
馬の後ろの近くをやる時は、回し蹴りを警戒して、腿のところをブラシを持っていない方の手で常に触れておきましょう。
根ブラシ
なるべく外側に反っていないブラシを選びましょう。
手のひらに当ててみてチクチクしないもの選べば問題ありません。
サラブレッドは皮膚が薄いらしいので、チクチクに敏感な子が多いみたいです。
私はクラブのは硬いのばかりだったので、柔らかいブラシを買って持っていっていました。
嫌がられて蹴られるよりは、安全な方がいいですw
まっすぐに馬体に当てるとチクチクするのでブラシを寝かせるようにする。
やはりブラシを掛ける前は左手でさすって様子を伺いましょう。
反応を見て大丈夫そうなら、軽いところから。
馬の様子を常に見ながら力加減を調整します。
口をモゴモゴしたりあくびをしていたら「気持ちいい!」のサインですので思う存分やってあげましょう。
ストロークは大きく、あまりブラッシングが好きでない子の場合は手早く終わらせてあげます。
私達も嫌なことを長々とやられたらイライラしますよね?馬だって同じです。
お腹の下も前もって左手で擦ると馬も少し食いしばってくれるらしいですが、それでも嫌がる部分は手のひらで汚れを払ってあげましょう。
絶対に無理は止めましょう!!
蹄油を塗る
まずは裏から!表を塗ると裏やる時に手がベタベタになるからです。
足の上げ方は裏掘りと同じです。
何故か裏掘りのときよりもすんなり足を上げてくれる子が多い気がします。
もうこれで、お手入れが終わって厩舎へ帰れるのを知っているのでしょうねw
という感じでしょうか(笑)
最大のコツは?
最大のコツは「嫌がることをしない」ことです。
どうしても必要な時は「さっさと終わらせてあげましょう。」
色々と書きましたが、それでも上手くいかない事もあると思います。
馬によって個性はそれぞれですから。
そんな時は
どうしたら「お手入れが好きな馬」になってもらえるか?
を考えれば自然と答えが見つかると思います。
私も乗馬を始めて半年ぐらいは、本当にお手入れが苦手でした。
でも、いつも馬の様子を見ることを心がけながら、回数をこなすうちに大好きになりました。
特に夏の丸洗いは大好きです。
ブラッシングや丸洗いで馬が口をモゴモゴしたり、鼻を伸ばしたり、大あくびをしてくれたりするとたまらなく愛おしいです!!
もう、可愛くて腕がパンパンになってもマッサージしてあげたくなっちゃいます!
私も蹴られた直後は「慣れることなんて絶対ない!!」と思っていました。
なので、今お手入れが苦手な方も絶対にできるようになります。
早くコツを掴んで楽しい乗馬ライフを送る一助になればとこの記事を書きました。
- 常に馬の様子を伺いながらやる。
- 急は動きはしない。
- 無理はしない、安全第一!
- 時にはやらないことも必要
- お手入れが好きになってもらえるように考えましょう!